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崎原 毅 さん




大切な生活道具たちに触れる。

郷土のものにこだわり、それを伝えたいとする崎原毅さん。
彼は南嶋民俗資料館の学芸員兼二代目館長を務めながら、民具を作り続けている。
八重山にはたくさんの郷土民具がある。涼しい風を運んでくれるクバ扇、眩しい太陽から守ってくれるクバ笠、アダンの葉で編んだぞうりなどの生活道具、他に手をパタパタさせる竹人形、ひょうたんで作ったお面、張り子、ソテツの実で作った愉快な根付などの玩具(遊具)は、どれも身近な草や木で作られた郷土民具だ。それらは手作りの温もりがあり、少し前の時代、代々受け継ぎ使い続けてきた生活道具でもある。


素朴だからこそ伝わってくる優しさや温もり

店内にある細長い棒を持ちながら、「子どもの頃、マーニ(和名:クロツグ)でチャンバラごっこをしたな…」と崎原さんは笑みを浮かべた。昔は身近なもので遊び道具を作ったようだ。「海や山は宝の山です。いくらでも材料があるのに、みんなあまり使っていないのは、もったいないですね。物作りが衰退してきていて、世の中、娯楽にはしっている。素朴なおもちゃではあるけど…」。
崎原さんは、島の自然の材料を使い、また、手作りすることにこだわる。


おじいちゃんの思いを切ってはいけないと思う。

サムライ、アトム、ドロボウ……、これらは竹人形の名前である。
竹人形は戦前からある琉球玩具の一つ。竹人形の遊び方を教えてくれながら崎原さんは言った。「今では自分の分身のような存在の竹人形です」。
この竹人形、黒島のとあるおじいちゃんが作っていたそうで、その後、崎原さんが引き継ぎ、かれこれ15年になるという。「作り手がいなくなったら、そこで途絶えてしまう。おじいちゃんの思いを切ってはいけないと思う」。
竹人形も昔は、おじいちゃんが作ったオリジナルの顔一つだけであった。どれひとつとっても、玩具には愛嬌があり、作り手である崎原さんの人柄が表れる。


好きじゃないと出来ない。

ひとつの物を作りあげるには、材料を育てることから始まる。何でもそうだが、続けることは大変なことである。「好きじゃないと出来ないですね。物を作っている人は、作るのが好きなんでしょうね。僕はね、特に人形の顔を描いてるときが幸せ」。
竹人形を自分の分身といい、作業場を秘密基地という崎原さんの作る玩具や生活民具から、本当の豊かさが感じとれる。
商品を両手にする崎原 毅さん。
竹人形作り15年の毅さんと、ソテツの実の名人こと毅さんのお母様と二人三脚で民具作りをしている。