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ミンサー全書

第30回沖縄タイムス出版文化賞特別賞受賞
祖先から大切に受け継がれてきた「ミンサー織」。そのルーツから、特徴、発展、継承、技術に至るまで網羅し、図録も豊富な決定版。
 


目次

第1章 ミンサーとは
1-1
ミンサーの特徴                :祝嶺恭子
伊波メンサーは、大掛かりな機仕掛けでなく、織具そのものがいたって簡単ないざり機で織る。経糸を整える整経も庭先で丸棒3本あれば行える。娘たちは、メンサーを友達と遊びながら織り、想いの男性に贈るという愛情表現をした…
1-2
ラオスとシルクロード沿い諸国の細帯文化    :柳 悦州  
沖縄からアジア大陸部にかけて、細帯の共通した要素は、経畝織であること、算崩しが用いられた経浮き紋様が織り出されていることである。さらに八重山ミンサーは、浮き紋様ではなく木綿の経絣が主紋様として用いられていることが特徴…

第2章 八重山ミンサーの歴史と民俗
2-1
八重山における木綿を中心とした織物をめぐる社会史  :得能壽美 
明治中期以降の史料では百姓身分の者たちの帯にみえるようになる。『南島探験』の著者笹森儀助が、明治27年八重山島役所に調査依頼した結果に、「平民」=百姓身分の「上人」は「帯ハメンサート称スル紺木綿真田織様ノ自分織ヲ用フ」とある。
2-2
御絵図とミンサーの絣文様           :石垣博孝
絣文様は上布などの貢納布に多く見られるが、それを生かして帯の装飾文としても用いられるようになった。ミンサーはそうした帯の代表的なものといえよう。ミンサーに用いられている文様は長方形を四つ、五つと交互に組み合わせたものがほとんどで…
2-3
技術面からみた八重山ミンサーの推移      :新垣幸子 
むしろ括る部分の少ないミンサー帯への応用は、当時の人々にとっては容易であったろう。それだけに、この小巾な細帯にまでこれだけの手間暇のかかる経絣を織った八重山の織り手たちの誉れの象徴のように思える。
2-4
芸能にみるミンサー 雑踊「加那よー天川」を事例として   :大城 學 
「加那よー節」の歌詞では、手巾ほどの情愛ではなく、腰をきりりと締めているミンサーを差し上げよう、とうたっている。女が帯をほどいて好きな男にその帯を贈るという行為は、それこそ身も心も差しあげよう、という大胆な愛情表現である。
2-5-1
石垣市におけるミンサーの発展と継承     :多和田淑子  
石垣市のミンサーは竹富島、小浜島のミンサーの伝統を受け継ぐ形となっている。石垣市においては、ミンサーの伝統は時代の変遷とともに途絶え、…1970年ころに離島から石垣市に移り住んだ人々の手により、再生、復興し今日の盛行をみる。
2-5-2
竹富ミンサー・原初とその変容        :石垣昭子
竹富の人たちはミンサーを唄に詠み、振りを付け、生活感溢れる染織文化を根付かせた。これらが良き伝統として定着、素朴な手織りの布が島を訪れる観光客に受け入れられ、八重山ブランドへと成長した。
2-5-3
竹富島・ミンサー由来            :上勢頭芳徳  
花染めティサージに始まって、ビルイ玉の首飾り、ミンサー帯、ひじりうちくいと、この4つのセットが男女の馴れ初めから婚約から結婚にいたるまで、モノとか図柄とかに意味合いがあるのです。
2-5-4
与那国島の人と織物             :米城 惠  
カガンヌブーは、いわゆるミンサー帯と呼ばれている手織りの細帯の与那国の方言名のことだが、竹富島の場合、絣が五つと四つはいっているのに比べ、与那国では二つで、それに少し細い。ミトゥダフディリ(夫婦絣)といわれている。
2-6-1
内盛スミ 「民芸の島」の手技を次世代へ   安本千夏
柳(悦孝)先生は竹富に来ると、家には、毎日のようにいらしていた。…石垣で買ってきたばかりの綛掛けの道具を見て、とっても怒られたことがあった。目の前で綛掛けにかかっている糸を外された。「これはあなたには似合わない…」
(写真・内盛スミ)
2-6-2
新絹枝  ミンサーを八重山の宝に  
義母たちの織る「ミンサーフ」は藍一色の細帯でした。私は藍だけでなく、八重山にある色をもっと表現したいと思いました。竹富から生まれたミンサーを、八重山の宝として共有していきたい、もっと世に広めていきたいという一心でした。
(写真・新絹枝)

第3章 ミンサーの現在と未来
3-1
沖縄県の伝統的織物業の産業化への取り組み    :宮里一夫
多くの織物産地は着尺、帯などの和装用品作りを志向しており、観光土産品作りに消極的であり、手間がかかる割りに引き合わないと考えている。このことは、県外、海外からの類似品が入ってくる状況を、産地自らが作っているとも読み取れる。
3-2
象徴としての五つ絣と四つ絣の発展によるミンサーの変遷  :安本千夏  
八重山における織物事業者の企画によるファッションショー開催は、伝統織物をウェアという日用品化への転換を染織業界に促していく。八重山の織物を日常のなかで身につけたいという地域の要望に応えるべく…
3-3
八重山における観光開発とミンサー  :アマンダ・スティンチカム 
1972年(昭和47)の復帰前後から、八重山では多様な変化が起こっている。そうしたなかで、竹富島や石垣市においてミンサーと観光が平行して展開し、ミンサーが八重山アイデンティティーの象徴にまで成長していった。
3-4
生産の現場から?あざみ屋の事例?        :新 賢次 
絹枝と哲次はミンサーフという先人たちの残したものづくりの実績を受け継いで、且つ生活に根ざした新たなミンサーを創立しようと志した。故にあざみ屋は、あえて「みんさー織」とミンサーをひらがな表記にしているのである。

第4章 技法とデザイン
4-1
技法と工程                  :安本千夏
4-1-1
石垣市織物事業協同組合
八重山上布の洗練された手仕事が、八重山ミンサーにも生かされていることが最大の特質となっている。染色のすべてを天然染料でのみ行うことも、八重山上布より引き継がれてきた石垣市ならではのこだわり…
4-1-2
竹富町織物事業協同組合
筬を使用せずにピッケで織ることに内盛をはじめ竹富島の染織従業者は深いこだわりを抱いている。手締めという技法で目測により仕上げることこそが、「イチヌ ユー マディン」想いを込めたミンサーにふさわしい手技…
4-1-3
与那国町伝統織物協同組合
豊年祭やマチリなどの島の伝統的行事のための衣裳一式を最初に習得することが、染織に携わる者に自然に受け継がれていることが与那国町の特質といえる。これらの衣装は地域住民からの注文が絶えることなく…
4-1-4
蠅△兇濂亜Δ澆鵑機執芸館
すべてが手作業による染織作品を均一、一定量生産し続けるため、みんさー工芸館では工程の分業化と、染織堅牢度の高い化学染料での染色技術の研究をおこなってきた。そのため効率化と技術の専門性が高められ…
八重山の主な植物染料
織物用具
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「ミンサー柄」の展開             :與那嶺一子  
ミンサーは、細帯を示す言葉から、模様を示す言葉として変化してきた。今後、ミンサーは伝統的な、細い経糸のみが見えて畝をつくる細帯というイメージから離れ、あの模様のデザインがミンサーになるのであろう。

索引
執筆者紹介
コラム「ミンサーと私」
安次富長昭 阿南惟茂 大城立裕 大浜長照 儀間比呂志
後藤育慧 佐藤太圭子 夏川りみ 外間守善 宮城篤正


沖縄タイムス 書評 〜織り手の人生 織り交ぜ報告〜

 沖縄は「染織の宝庫」と称され、特に織物は素材・技法とも多種多様で今なお各地において特色あるものが製作されている。
 これらの織物の意匠展開や技法に比べ、ミンサーは単純な織物としてとらえ、ある程度わかっていたつもりでいたが、この本によって考え方を新たにさせられた。
 本書は4章で構成され、15人の執筆者がそれぞれの視点から、ミンサーについてさまざまなアプローチをしている。第1章はミンサーの特徴と種類および中央アジア諸国の細帯文化、第2章では木綿を中心とした社会史、絣文様や技術面からみたミンサーの推移、芸能に見るミンサー、石垣・竹富・与那国島のミンサー織物についてそれぞれまとめている。
 第3章は県の伝統的織物の産業化への取り組みやミンサーの変遷、八重山における観光開発や生産現場などについて分析し、沖縄織物全般の将来に向けてのキーワードとして「手作り、自然素材にこだわること」を挙げている。
 第4章は石垣、竹富、与那国の各組合、みんさー工芸館の技法と工程および植物染料等が詳しく解説され実践書として参考になる。
 全体的に、図版や統計資料を効果的に配置したわかりやすい構成で、確かな史料の裏付けや関連資料を入念に調査考察した本文は、専門的な参考書として優れている。
 八重山の祭りや地域文化を織り交ぜながら報告される数々の織り手の人生模様は、民族文化史としても興味深い。八重山の伝統の素晴らしさを自覚しつつ、指導者の教えを胸に自然体で織物に取り組む姿勢に共感をおぼえる。そのほか、随所に挿入されている10人の執筆者によるコラム「ミンサーと私」は、専門的な内容の本文とは趣の異なる印象深いエッセーが綴られ、一息つかせてくれる。
 世界的な経済不況と沖縄染織ブームに陰りが見られる厳しい状況下で、社の40周年事業の一環として本書を世に送り出したあざみ屋関係者と執筆者に心より敬意を表したい。
2009.06.13 ルバース・ミヤヒラ吟子・県立芸術大学教授

琉球新報 書評 〜「いつの世までも」愛されて〜

「いつの世までも」のロマンチックな解釈で知られる文様は、5つと4つの方形を組み合わせた絣から生まれた。かつて竹富島を中心に織られたミンサー帯。紺碧の糸と白雲色の2色だけで織り成すその潔さが、ことさらにウムイ(思い)のきずなの強さをかもし出す。オン(御嶽)が溢れる祈りの島から生まれたミンサー柄。今や沖縄をイメージする究極のデザインとして定着した。
 本書は、あざみ屋・みんさー工芸館創立40周年記念事業として刊行された。小さな島で生まれた織物が、沖縄の伝統工芸産業の象徴的な存在にまで発展した歴史が盛り込まれている。
 第1章「ミンサーとは」では、ミンサーと呼ばれる細帯が「伊波メンサー」や「読谷山ミンサー」「首里ミンサー」など、本島や奄美諸島にも存在し、細帯文化圏は東南アジアやチベットさらにアラブまで広がることが記される。そして、その多くが「紋織りミンサー」であり「絣織ミンサー」は八重山地域の特徴であることが理解できる。
 第2章「八重山ミンサーの歴史と民俗」では、木綿や織物に関する記録や社会史、さらに実作者らによる八重山各地のミンサーの技法検証が記される。竹富島で織物にかかわってきた内盛スミさんからの聞き書きには、祈りと共に生きる生活者の視点が溢れている。また、ミンサーを伝統工芸産業にまで発展させた新絹枝さんの聞き書きからは、その信念と実践力、さらにそれを支えた家族の深い愛情が伝わる。少女時代を台湾で過ごし、グローバルな視点で古里のミンサーと向き合ってきた、絹枝さんの姿勢はジェンダーを超えた魅力でいっぱいだ。
 第3章「ミンサーの現在と未来」では、地場産業や観光の視点からミンサーの可能性を検証する。第4章「技法とデザイン」は、八重山の各織物組合や工房など生産の現場を紹介する。織物作家や研究者、生産者などによる本文とコラムで構成されており、多彩な執筆陣の視点がミンサーの魅力をさらに深めている。ミンサーが「いつの世までも」愛されることへの思いを託して。
2009.06.14 宮里正子・大学非常勤講師

ミンサー全書

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本について
編集・発行:「あざみ屋・ミンサー記念事業」委員会
仕様:B5判 361頁

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